フィジタルメディア研究室について

概要

筑波大学 フィジタルメディア研究室(平木研究室)は2021年度に発足した研究室です。学部では情報学群 情報メディア創成学類、大学院では⼈間総合科学学術院 ⼈間総合科学研究群 情報学学位プログラムに所属しています。

フィジタルメディア研究室に入るには?

  • フィジタルメディア研究室に入る方法は大きく分けて、卒論配属、大学院入学(博士前期課程)、大学院入学(博士後期課程)の3つです。
    • 所属希望者の選抜時に重視することは後述していますので熟読してください。
  • 研究室配属を希望する前に、研究室見学等で様子を知っていただくことが重要だと考えています。
    • 筑波大の内外を問わず、希望される方は教員にメールでコンタクトを取っていただければ調整させていただきます。

卒論生

  • 筑波大学 情報学群 情報メディア創成学類から卒論生(B4)を受け入れています。
    • 総合学域群所属の学生さんについては、情報メディア創成学類への進学を希望してください。
    • 3年次編入の学生さんについても、情報メディア創成学類への編入学を希望してください。
  • 卒論配属を希望される方については原則として教員との面談を実施しています。
    • 希望される方は教員にメールでコンタクトを取っていただくようお願いします。
    • その際には、希望する面談日程の候補時間帯(3候補程度)と自己プロフィール(様式自由)、成績資料の記載または添付をお願いします。
  • 筑波大の学部生を対象にした研究アルバイトを不定期で募集しています。またAREの受け入れも行っていますので、これらの機会を活用して研究室の様子を知ってもらえるとよいかと考えています。

大学院生(博士前期課程)

  • 筑波大学 ⼈間総合科学学術院 ⼈間総合科学研究群 情報学学位プログラムに出願、入試を受験してください。
    • 出願の際は募集要項を熟読してください。
    • 入試日程は7月(推薦入学試験)、8月(一般入学試験、社会人特別選抜)、1-2月(一般入学試験・社会人特別選抜・英語受験者特別選抜)の3回です。
  • 筑波大の内外を問わず、出願を希望される方は教員にメールでコンタクトを取っていただくようお願いします(推薦入学試験の場合は必須です)。状況に応じて見学、面談等を実施したいと考えています。
    • 推薦入学試験の場合は各日程出願締切の3ヶ月前、一般入学試験、社会人特別選抜、英語受験者特別選抜の場合は2ヶ月前までにはコンタクトをお願いします。
      • 期限以降でも対応できる可能性はありますが、調整等が間に合わず、ご期待に添えない場合があります。
    • その際には、自己プロフィール(様式自由)と成績資料の記載または添付をお願いします。

大学院生(博士後期課程)

  • 筑波大学 ⼈間総合科学学術院 ⼈間総合科学研究群 情報学学位プログラムに出願、入試を受験してください。
    • 出願の際は募集要項を熟読してください。
    • 入試日程は7月(推薦入学試験)、8月(一般入学試験、社会人特別選抜)、1-2月(一般入学試験・社会人特別選抜・英語受験者特別選抜)の3回です。
  • 筑波大の内外を問わず、出願を希望される方は教員にメールでコンタクトを取っていただくようお願いします(推薦入学試験の場合は必須です)。日程を調整の上、見学、面談等を実施したいと考えています。
    • 試験種別を問わず、各日程出願締切の3ヶ月前までにはコンタクトをお願いします。
      • 期限以降でも対応できる可能性はありますが、調整等が間に合わず、ご期待に添えない場合があります。
    • その際には、自己プロフィール(様式自由)と成績資料、修士課程/博士前期課程で取り組まれている研究活動(様式自由)、博士後期課程で取り組みたい研究テーマ(様式自由)について記載または添付をお願いします。

研究生

  • 博士前期/後期課程学生と卒論配属学生の指導に注力したいと教員が考えているため、研究生の受け入れは原則として行っていません。

フィジタルメディア研究室ではどんな研究をしているのか?

  • トップページに記載していますが、物理空間 (Physical) とデジタル空間 (Digital) が高度に融合して実現されるメディアを「フィジタル (Phygital) メディア」と定義し、このフィジタルメディアについて探求しています。
    • その中でも、映像を中心とした視覚メディアと振動や力の提示を中心とした触覚メディアに力を入れて研究しています。
    • 具体的な研究分野としては、拡張現実感 (AR)、複合現実感 (MR)、触覚インタフェース、ヒューマン・コンピュータ・インタラクション (HCI)、ロボティクスなどですが、これに限定せず、分野融合的な研究を進めています。
  • これまでに行ってきた研究については、研究プロジェクトのページを参照してください。

フィジタルメディア研究室においてできること

  • フィジタルメディア研究室では、視覚、触覚メディアの基盤技術開発や、これを用いたVR/AR/MRシステムやユーザインタフェースなどの研究に取り組むことができます。
  • 研究に取り組む中で、構造設計や電子回路設計、実装などのハードウェア関連のスキルや、プログラミングなどのソフトウェア関連のスキルを身につけることができます。
    • これらの能力はIoTシステムの開発などIT業界では必須とされているものであり、社会に出てからも間違いなく役立つものになると考えています。
  • 研究内容については積極的に対外発表することを推奨しており、国内学会にとどまらず、海外で開催される国際会議での発表の機会を提供しています。
  • 研究活動や対外発表については経験豊富な教員が積極的にサポートしますので、独学するよりも効率的にこれらの能力を身につけることができます。

フィジタルメディア研究室においてできないこと

  • VR/AR/MRを使ったコンテンツ制作そのものを研究の対象にはしていません。
    • 例えば、「HMDを使ったVR環境でゲームを制作し、これを使って論文を書く」ことは難しいです。
    • 一方で、「HMDをベースにした新しいシステムを設計、実装し、これをゲームを題材にして評価し、論文を書く」ことは可能で、実際に実績があります。
  • 物理空間の対象を扱うため、ソフトウェアのプログラミングのみでテーマが完結することは(全く無いとは言いませんが)非常に少ないです。
    • そのため、電子回路などのハードウェアについて一切触れない研究に取り組むことは難しく、何かしらの形でハードウェアが関連する研究に取り組むことになります。
    • (ただし、これはハードウェアに関してのスキルを求めているのではありません。全くの未経験であったとしても教員がサポートして研究に取り組める環境を整えます。)

研究室への配属時に重視すること

  • 時間をかけて何らかの成果や作品を仕上げ、それを人に見せ、発表した経験を持つ人を歓迎します。
    • 具体的には、高専やAREなどですでに研究活動に取り組んだ経験を持つ人、あるいは技術系、美術系、音楽系のサークルでコンテストや発表会に参加、発表した経験を有する人を歓迎します。
    • また、このような経験がなかったとしても、これまでに勉学やスポーツ、習い事などに打ち込み、「この点では自分は長い時間をかけて努力してきた、他の人に負けない」と言えるものを持っている人も歓迎します。
  • 卒論配属の場合は、修士課程への進学希望者を優先します。
    • これは、ハードウェアを扱う研究を行っている関係で卒論の1年間のみでは時間が短く、修士も含めた3年間でのスパンで学生さんの研究方向性を設計したいと考えているためです。
    • 博士課程への進学希望も歓迎します。学振DCへの申請等については教員が全力でサポートします。
  • 研究室に積極的に来て活動する人を歓迎します。
    • これは、ハードウェアを扱う研究に取り組むことが多いため、実際に研究室に来ないと環境が整わず、研究が効率的に進展しないためです。
    • コロナ禍においても、感染対策を十分に行った上で研究室での研究活動を推進していきたいと考えています。

配属時に重視しないこと

  • 配属時に様々なスキルを持っていることは特に重視しません。
    • 例えば電子回路の設計、実装経験やUnity, Blenderでの実装経験の有無は研究室に入る時点では全く問いません。(もちろんこれらの経験を有することは素晴らしいことですが、無かったとしてもマイナスにはなりません。)
    • 一方で、英語や数学、情報学(アルゴリズムなど)に関する基礎学力を身につけていることは歓迎します。なぜなら、これらは一朝一夕で身につけることが容易ではないからです。

研究室の環境と文化

研究室の環境と文化について記載します。

運営

  • 教員同席のミーティング(週1回)で研究の進捗を確認します。
    • 論文投稿の直前など、必要に応じて学生さんと教員の1対1のミーティングも適宜実施します。
  • インタラクション研究グループに所属しているインタラクション研究室(井上研究室)、李研究室との合同ミーティング(月)を実施しています。
    • 研究室内部のミーティングと異なり、対外的な目線から自分の研究に意見をもらい、考える機会であると捉えています。
  • 学生さんが研究室で初めて取り組む研究テーマは基本的に教員から提案しています。
    • 学生さんには事前に面談をした上で複数の研究テーマ案を提示し、そこから学生さんの希望に基づいて取り組む研究テーマを決定します。
      • そのため、学生さんが希望しない研究テーマを無理矢理やらされる、ということはありません。
    • 学生さんが自主的に研究テーマを提案し、それに取り組む方針を採る研究室もあります。しかし、教員の過去の経験から、研究の新規性や規模感などを含めた研究テーマの設計を学生さんが自主的に行うことは難しいと考えています。
      • そのため、初めての研究ではまず教員が設定したテーマで研究に取り組み、その成果を発表する、というサイクルを経験してもらった上で、次のステップとして自主的な研究テーマについて検討してほしいと考えています。
    • 一方で、学生さんがどうしても取り組みたい研究があるのであれば極力配慮したいと考えています。ただし、研究予算や環境、教員の研究経験等の理由で希望に添えない場合もあります。
  • 研究予算に関する情報は個別に質問をいただければお答えしています。

研究環境

  • 学生居室と実験室があります。
    • 学生居室には学生さんのデスクがあります。
    • 実験室には様々な工作装置や計測装置があります。
      • 例えばハンダごて、オシロスコープ(2台)、直流安定化電源、3Dプリンタ(6台)、リフロー炉、輝度計、デジタルフォースゲージ、サーモグラフィカメラ、デジタルカメラ等があります。
      • その他、教員が必要であると判断したら研究予算で装置を購入することも可能です。
  • 教員はデジタルネイチャー開発研究センターの参画教員であり、一部の研究課題について連携して取り組んでいます。
    • 研究テーマによってはデジタルネイチャー開発研究センターの設備を利用し、センター長である落合准教授と連携して研究を推進する場合があります。
  • 学生さんの希望に応じ、研究用のPCを研究室から貸与します。

主たるコミュニケーションツール

  • メールとSlack、Zoomを使用します。
    • 主に用いるのはSlackで、ほとんどのやりとりはSlackを通じて行います。メールは事務連絡等、転送やアーカイブを要するものが中心です。
    • ミーティングは学生さんの希望に応じて対面、もしくはZoomで行っています。共同研究者(国内、海外)が参加する場合はZoomで行っています。
  • 創造的な議論において最も効果的なのは対面での議論であると考えており、重視しています。
    • 特に、ハードウェアを扱った設計や実装を伴う研究においては、実物に触れながら議論することが重要であり、その点でも対面で実施することは重要であると考えています。

研究室の情報資産の蓄積方法

  • Google Workspaceを導入しているため、データの保存、やり取りはGoogle Driveを通じて行っています。
    • 研究室のメンバーは研究室の共有ドライブにアクセスし、自由に使用することができます。
  • 研究室の内部情報(関連研究のまとめ、Tips等)についてはNotionに記録し、ソースコードなどは研究室のgithubにまとめています。

教員との関係性

  • 個々の研究について、教員が隅から隅まで把握することは現実的に難しいです。
    • そのため、自分の研究については教員に説明できるくらいの知識を身につけてほしいと思っています。
    • 一方で、総合的な研究指導と論文執筆指導については教員が責任を持って行います。
  • 教員は学生さんの研究指導以外に教育活動、自分自身の研究活動、外部との共同研究活動、学内業務など、多数の業務を抱えています。
    • そのため、締め切り直前に最優先で対応することは非常に難しく、レポートを締め切り直前に出す感覚だと研究活動はうまくいかないと思います。
    • どのようなタイムラインで進めればよいかについては教員がレクチャーしますので、そのタイムラインに沿って物事をすすめるという意識を持ってください。
  • 教員は平日は基本的に教員居室にいます。
    • ミーティング中等でなければいつでも居室に来て相談してもらって構いません。
    • 土日祝日には緊急時を除き研究室にはいません。

問い合わせ先

  • 担当教員の平木に直接メールをお願いします。
    • hiraki-at-slis.tsukuba.ac.jp
    • -at-を@に置換してください。
  • 迷っている時に
    • 質問や相談申込はメールでお送り下さい。
      • 疑問点がある場合は積極的に聞いていただければと思います。
    • 各研究室のwebページを熟読することをおすすめします。
      • webページの情報量と研究活動量は概ね正の相関があるように思います。(個人の感想です)
    • 自分の興味に合致した研究室を選択するために、その研究室の研究プロジェクト紹介や発表文献、その動画(あれば)をチェックすることをおすすめします。
      •  研究分野の名称が同一であっても、各研究室の方向性が微妙に異なることが多いです。

謝辞

このページは電気通信大学 小泉研究室のページを参考にして作成しました。ここにお礼申し上げます。